Twitter
芸能界の第一線で活躍する作り手や、演じ手に会いに行くインタビュー企画
[side-A]
コンビだけど言えないこと、コンビだからこそ言えないことを"交換日記"という形で言葉にするテレビ番組『お試しかっ!』の企画「芸人交換日記」が書籍化された。芸歴15年になる"タカトシ"がつづったそれぞれの文章から二人の関係性と人柄が見えてくる。今回は、今やMCとして、漫才師として、ますます活躍する彼らにお笑いを目指す人へのメッセージも聞いた。
■"交換日記"はタカの長年の念願!?

――発売されることになった「リアル芸人交換日記」。拝見すると、この企画にトシさんはあまり乗り気ではなかったようですね。

トシ「そうですね、渋々と言いますか(笑)」
タカ「僕はやりたかったんですよね。やれるとなった時はうれしかったですね。意気込みが強すぎて、最初にけっこうな枚数書いてしまって(笑)、長すぎるんじゃないかという声が上がるぐらいで」

――思いの丈をぶつけた感じ?

タカ「そうですね。感情をそのまま一気に書いた感じですね」

――最初の段階で、こういう展開になるだろうなという予想はありましたか?

タカ「読めなかったですね。相方は感情をまったく表に出さないタイプなので、どこまで心を開いて、さらけ出してくれるかっていうのは不安でした」
トシ「予想はしなかったですけど、"なるほどね。はいはい"という感じでしたよ。想定の範囲内というか」
タカ「そうなの!? 俺は予想外でしたね~」

――今まで話してないようなことをかなりさらけ出しましたよね。

トシ「そうですね。どうせ書くんだったら、こいつが知らないことを書こうと思いましたし、誰にも言ってないようなことも書きましたからね」

――思いを全部入れ込めましたか?

タカ「全部は入れ込めてないですけど、でも、かなり伝えたいことは詰め込んだと思います」

タカ&トシインタビューカット

――実は今日、見ていただきたい一文がありまして。2003年の「爆笑オンエアバトル」(NHK総合)の公式本なんですが。

トシ「うわ~、痩せてますね」

――この内容なんですけど。<タカ「今この取材を受けながら思ったんですけど、そういうコンビのコミュニケーションって取りにくいじゃないですか。でも、取っていかなきゃダメだなと思いました。交換日記とか」。トシ「気持ち悪いわ!! なんで交換日記するんだよ」。タカ「言いにくいことって、文章にしたほうがいいじゃないですか。恥ずかしがってる場合じゃない」。トシ「恥ずかしいじゃなくて、気持ちが悪い!!」>っていうやりとりをしてまして。

タカ「すごいな、もう言ってたんだ」
トシ「2003年の時点で」

――8年以上前から、タカさんはそういう思いがあった、と。

タカ「僕は心の中に思ってないことは言えないタイプなので、その頃から確実に思ってたんでしょうね」
トシ「芸人交換日記の原点だ」
タカ「この時の俺の真っ直ぐな思いをおまえはボケ扱いしたんだよ」
トシ「俺のブレない姿勢だな(笑)」

――確かにブレない(笑)。

トシ「ブレませんよ(笑)」
タカ「そういう意味じゃ、俺のスタンスもブレてないんだよね。コンビって絶対思いをぶつけたほうがいい、ってずっと思ってるから」
トシ「8年越しで形になったと」
タカ「そう考えたら、ホントにやってよかったですよ。無感情な...何も考えてないように見えるこの男が、ちゃんと考えていて、人間的な一面があるんだというのが分かったので、すごく安心しましたね」

――トシさんも今回「交換日記」をやって、改めて感じたことはありますか?

トシ「書いてることは、こいつが普段よく言ってることなんですけど、そういう思いがベースにあったんだなというのは再認識しましたね」

――拝見して思ったのは、トシさんは過去の出来事を比較的覚えていて、タカさんはあまり覚えていないという(笑)。

トシ「完全にそうですね(笑)。こいつは酒飲むんで」
タカ「なんかですね、海馬がどんどん小さくなってるみたいで、記憶が...」
トシ「酒をやめろ」
タカ「記憶がない」
トシ「酒をやめろ」
タカ「どんどん記憶が......」
トシ「酒をやめろ」
タカ「志村師匠とのやりとりだろ、これ(笑)」

――記憶は完全にトシさんのほうが。

トシ「そうですね、わりと覚えてますよ」
タカ「記憶を勝手に変えちゃう時があるんですよね、どうも記憶が...」
トシ「酒をやめろ」

■大事なのはとにかくネタを作ること!

――過去の記憶という意味では、タカアンドトシさんが地元・北海道で笑いを始める時に二人の間で決めたこと、というのは覚えてますか?

トシ「笑いのことなんて何も分からなかったので、とにかく、分かりやすい笑いをやろうというのはありました。シュールなネタは出来ないので、大人の人も子どもの人も、みんなに笑ってもらえるもの......そこでいこうと」
タカ「北海道は芸能事務所がなかったから、オーディション雑誌で情報をチェックして、テレビに自分たちのネタをビデオで送ったり、そういう毎日でしたね。当時思っていたのは、とにかく今出来ることを全部やらなきゃ、っていうことでした。それで、ネタばっかり書いてましたね。最初のうちは全然おもしろくないけど、書いてるうちに少しずつコツをつかんできたりして、とにかく必死にネタを作ろうと思ってました」

――札幌の吉本入りを決めて、直後はわりと順調に番組が決まったそうですね。

トシ「最初はそうですね。僕ら、初めてテレビのオーディションを受けに行った時に、目の前のプロデューサーさんがスッゲー笑ってくれたんですよ」
タカ「"君ら、すごい!"ぐらいのこと言われて」
トシ「一瞬、あ、俺らスゲーんだって(笑)。帰り道、かなり満足して帰ったの覚えてますね」 タカ「スタートは順調でしたよね」

――その後、東京に進出するようになって、壁にぶつかったり、失敗したりということは......。

タカ「そんなのばっかりですよ」
トシ「まず、パンクになろうとしてましたからね、こいつは。ロックンローラーを目指すかのようなスタイルで漫才やってましたし」
タカ「いや、でもね。今こうやって振り返った時に、全部ネタになるんですよ。"なんだよ、これ。なんだ、あの髪型は"とか。だから、いろんな経験したほうがいいんですよ。後で気付けばいいんですから。気付かないでいったら、ヤバいですけど。絶対に若いうちはエピソードを残すためにもめちゃくちゃやったほうがいいんですよ。生放送で放送禁止用語をバンバン言ってやったりとか」
トシ「やってないだろ」
タカ「やれないタイプですけど(笑)」

■考え方が変わっていったきっかけは「M-1」

――ちなみに、自分たちのスタイル......洋服や髪形など、これは違うなと気付くきっかけはあったんですか?

タカ「途中で、ダイエットしてオシャレしてもモテないって気付いたんです(笑)。どうしたらモテるんだ、って考えた結果、お笑いで売れてテレビに出たらモテるだろう、ってことで。とにかく、漫才の邪魔になる格好はやめよう、と。服もかわいらしい感じに変えていきました」

――その変化は隣りでどうご覧になってたんですか?

トシ「基本、昔から格好は変わってたので、驚くっていうのはなかったですね。だって、いきなり普段からスーツで過ごしてみたり、もうあっちゃこっちゃいってたんで......(笑)。一番ヒドかったのが、僕が坊主になった時に、その坊主をイジるようなネタがあったんですけど、その頃、急にこいつもCMでベッカム見てカッコイイと思ったとか言って、ベッカムヘアにしてきて、W坊主になっちゃいまして。ただの痩せた坊主二人という......(笑)。アマチュアでしたね、完全に(笑)」

――しかし、これではいけない、と気付き......。

タカ「やっぱり大きかったのは『M-1』ですよね。漫才の足を引っ張ることはやめようと。そこで思えたんですよね。大きな変化はそこでした」

――そういった経験を経て大活躍されているタカトシさんから、今お笑いを目指す皆さんにアドバイスはありますか?

トシ「これという答えなんてないと思うんですけど、いろいろやってみることじゃないですか。服ひとつとっても、試してみる。失敗も多いと思いますけど、やってみないと分からないですし」

――最近は、後輩からアドバイスを求められたりというのも多いんじゃないですか?

タカ「それが、ないんですよね(笑)。だから、こっちからいうようにしてます。"そろそろコンビ名変えたほうがいいんじゃないか"とか」
トシ「ありがた迷惑だよ(笑)」
タカ「でも、やっぱりね、芸人はネタなんですよ! それしかない。ネタがスゲーおもしろかったら、いけますから。とにかく、必死にネタを作れと、こっちから言ってるんですけどね......なかなか聞いてくれません(笑)」
トシ「聞く耳を持ってもらえるようにな(笑)」

――では、最後に今回の本「リアル芸人交換日記」をこんなふうに楽しんで欲しい、というメッセージをお願いします。

トシ「僕は、とにかく恥ずかしいんですけど、でもせっかく出すので、売れて欲しいとは思うんですよね。だから、買っていただいて、読まないというのをお勧めしたいですね(笑)」
タカ「本の最終ページのほうから見ると、直筆で書かれたものが載っているんですよね。そうすると、字の雰囲気とか、キャラクターみたいなものも見えてくるので、そっちから先に読むのもおもしろいと思います」

――ちょっと書いた時の思いも見えてくるような気がします。

タカ「そうなんですよ。あと、なんとなくなんですけど、コンビってちょっと字の雰囲気が似てたりするんですよね。それも直筆のページでは見てもらえるので、ぜひチェックしてみてください」
(取材=2011年12月某日)

取材・文=田部井徹(トリーヌ) 撮影=梅木麗子

書籍「リアル芸人交換日記」
リアル芸人交換日記
 人気芸人6組が、「ムカついたこと」「秘密にしていたこと」「ごめんなさい」「ありがとう」をテーマに4日間に渡りコンビで日記を交換。言えなかった本音と、知られざる葛藤と絆が綴られる......。
 タカアンドトシ、よゐこ、アンジャッシュ、スリムクラブ、ダイノジ、オリエンタルラジオによるそれぞれの交換日記の全文掲載のほか、鈴木おさむとタカによるナビゲート対談や、巻末に本人直筆による交換日記などを掲載!

発売中/四六判ソフトカバー464ページ/定価1300円+税
発行:ヨシモトブックス 発売:株式会社ワニブックス
タカアンドトシ
たかあんどとし
[左]タカ(1976年4月3日生まれ、ボケ) [右]トシ(1976年7月17日生まれ、ツッコミ)、共に北海道出身。高校在学中、札幌吉本主催のオーディションに合格。高校卒業後、事務所に入りプロへ。2002年、東京に活動拠点を移し、徐々に地位を築き上げる。レギュラー番組に、「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」(テレビ朝日系)、「フットンダ」(中京テレビ、日本テレビ系)、「ペケ×ポン」(フジテレビ系)ほか多数。
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。
スペシャルインタビュー
映画「三十路女はロマンチックな夢を見るか?」主演 武田梨奈 スペシャルインタビュー 映画「ミスミソウ」出演 大谷凛香 スペシャルインタビュー デビューシングル & 2ndシングル発売記念! はちみつロケットスペシャルインタビュー デビューシングル「One & Only」発売 Re:Complex スペシャルインタビュー 映画「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」出演 山本千尋スペシャルインタビュー 映画「花は咲くか」出演 塩野瑛久 スペシャルインタビュー 映画「勝手にふるえてろ」公開記念 北村匠海 スペシャルインタビュー ファーストアルバム「Cherry Seeds」発売 CHERRSEE スペシャルインタビュー 主演映画「トモダチゲーム 劇場版FINAL」公開 吉沢亮スペシャルインタビュー 映画「僕のワンダフル・ライフ」日本語吹替え版出演 花澤香菜スペシャルインタビュー 「連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~」DVD&ブルーレイリリース開始記念 豪華キャスト勢揃いスペシャルインタビュー 2nd single「アバンチュっ!/ナツラブ」発売 アキシブproject スペシャルインタビュー 「AKB48 向井地美音ソロコンサート~大声でいま伝えたいことがある~」DVD&Blu-ray発売記念 向井地美音(AKB48)スペシャルインタビュー Amazonオリジナル「東京ヴァンパイアホテル」出演 夏帆&満島真之介 スペシャルインタビュー 主演映画「ラオス 竜の奇跡」公開 井上雄太スペシャルインタビュー HKT48のこれからを背負う4期生をピックアップ☆ 地頭江音々&豊永阿紀&運上弘菜(HKT48)スペシャルインタビュー 主演VR映画「交際記念日」&主演映画「ポエトリーエンジェル」公開 武田玲奈スペシャルインタビュー 映画「トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡」主演 松風理咲スペシャルインタビュー 1stフォトブック「hungry!!!」発売 岡田結実スペシャルインタビュー アニメ「デジモンアドベンチャーtri.」出演 田村睦心&荒川美穂スペシャルインタビュー 映画「一週間フレンズ。」出演 松尾太陽スペシャルインタビュー アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜」出演 早見沙織スペシャルインタビュー セカンドシングル「白いシャツ」発売 CHERRSEEスペシャルインタビュー 映画「闇金ウシジマくん Part3」出演 本郷奏多スペシャルインタビュー
SSL グローバルサインのサイトシール