芸能界の第一線で活躍する作り手や、演じ手に会いに行くインタビュー企画
[side-A]
一筋縄でいかない屈折した人間性と、バカバカしいほどのストレートさが同居しているように思えるコントの数々。見始めると深みにハマる独特の世界を生みだすジャルジャルに、NSC時代から現在までの思いを語ってもらった。
■ギラギラ感しかないというか。仲良くしてる場合じゃないと思ってました
ジャルジャルインタビューカット

――コンビを組んだきっかけは?

後藤「ただ仲良かっただけです(笑)」
福徳「高校の同級生なので」

――どちらが誘ったんですか?

福徳「まぁ、自然な感じで"お笑いやろうか"みたいな。後藤が、NSC(よしもとの養成所)に入るか入らんかウジウジしてたので、僕が"入ろう"って言って声掛けて。でも、その3ヶ月後ぐらいに僕が"やめようか"って言ったら、後藤が"やろう言うたやんけ!"って止めて...という感じでした」

最初から「よしもと」へ、という発想でした?

福徳「それしかなかったです。でも、「月刊Audition」さんとか、オーディション雑誌を買って、チェックしました。読んだら『M1』しか載ってなかったですけど(笑)」

――NSC在学中を振り返って、当時、頑張ったなと思えるのことは?

後藤「ネタ見せの授業は休まなかったです。サボったことはなかったですね。ダンスの授業はサボりましたけど(笑)」

――二人の中で取り決めがあったんですか? ネタ見せは全部出ようと。

後藤「いや、取り決めというか、サボる気持ちのほうがわからなかったですね。だから、ネタが出来てないってことはないように、毎回作ってました。ギリギリの時もありましたけど、それでも何かネタは見せてました」
福徳「当時は毎日のようにネタ合わせをしてました。限りなく毎日」

――NSC内では優等生的な存在だったんですか。

後藤「優等生です」
福徳「僕ら、優等生でした(笑)」

――その頃、大変だったなという思い出は?

福徳「大変も何も、とにかくやるしかなかった。ネタを毎日やって、同じ講師の先生には同じネタは見せないっていうのは意識してネタ作って...」

――――当時のネタ見せの雰囲気は?

福徳「入った時は、ここにいるのは全員おもろいんやろうなと思ってたんですけど、いざネタ見せをしたら全然おもんなくて(笑)、全員ショボかったんやと。そう思いましたね」

ジャルジャルインタビューカット

――自信に満ちていた(笑)。

福徳「いや、というよりも、なんも変わらん同じネタをいつまでやってんねん、みたいな人もいて、その人らのネタを聞くのが苦痛でした(笑)」

――そしてその後、初舞台でやったネタは覚えてますか?

後藤「NSC中に"発表会"があるんですけど、ちゃんとした劇場で、お客さんの前でネタしたのはそれが初めてでした」

――どうでしたか?

後藤「当時の劇場、baseよしもとだったんですけど...」
福徳「めちゃめちゃ受けました」

――初舞台から!?

福徳「正直、他の芸人見てておもんない、おもんないっていうのが続いて、これはお客さん俺らでビックリするぞと思って、やったらウケたんです。今までで一番ウケたって言っても過言ではないぐらい。お笑い人生で一番受けたんちゃうか、っていうぐらい」

――後藤さんの中でも?

後藤「その時のイメージ越えられないぐらいですね。実際の笑いの量はわからないですけど、"なんじゃこれ!?"というぐらいの感じ。その時が一番ですね」

――最高のスタートですよね。でもあえてうかがいたいのですが、その後、ヘコむ時期は...?

福徳「すぐきましたよ(笑)。その発表会の時は点数も良かったから、ご褒美みたいな形で、baseよしもとのオーディションを受けられることになったんですけど、いざオーディションを受けたらあんまり反応がよくなくて、ちょっとちゃうぞ、って思いましたね」

――どうも評価が上がらない、と。

福徳「そうですね。でも、ネタの形を変えるわけにもいかず、それ以外のネタの形が出来るわけではないので、そのままやるしかなかったです」
後藤「オーディションといっても、劇場のお客さんの審査という形が多かったので、なかなか...」
福徳「お客さんの審査で票を取るっていうのは、若手には難しいんですよね。知らん人では笑わへん、みたいな感じもあるので(笑)。それで上手くいかず、という状況だったんですけど、1回だけお客さん抜きで、よしもとの社員さんの前でネタをして、それでメンバー決めるという時があって、その時受かってメンバーに入れたんです。それはひとつのきっかけでした」

――その後、大阪の"賞レース"に参加するようになりますが、その当時の思いは?

福徳「当時、ネタをしても"珍しいネタしてるな"とか"シュールだね"とかよう言われてたんです。1回NHKで賞獲った時(2007年、「NHK新人演芸大賞」演芸部門大賞受賞)、"一般受けするんやな"っていう周りからの目線になりました」
後藤「それまで、社員さんに、"関西で賞獲りたいです"みたいなこと言っても、"本気で言うてるの(笑)?"みたいな。"そんなんちゃうやん、自分~"みたいな感じで言われてたぐらいなんで、それだけに、獲れた時はうれしかったですね」

――本気で獲りたかったわけですよね?

後藤「もちろん。"そんな路線狙ってるの?"って言われましたけど、いや獲りたいですよっていう気持ちでした」

――そして2008年、(『爆笑レッドシアター』の前身)『THE THREE THEATER』が始まりますが、番組に入っていった時の思いは?

後藤「最初はもうギラギラ感しかないというか(笑)。この周りには誰一人として負けたらあかんな、っていう、それしかなかったです。みんなそうだったと思いますけど」
福徳「仲よくしてる場合じゃないっていう(笑)。ただ、東京の芸人さんって仲よくしていこうっていうスタイルなので、そこは最初戸惑いましたね。めっちゃ来るやん、と思って(笑)」

――番組が人気となり、その後『レッドシアター』に。いろいろと状況も変わってきましたか?

福徳「レギュラー化されて、ユニットコントをするようになったんです。それが最初めちゃめちゃ嫌で、"なんでユニットコントせなあかんの"って思ってました。"コンビでええやん"って。でも、いざやってみたら、なるほどこういう楽しさがあるんや、と。そこで学びましたね」

――それは二人でやるコントとはまったく種類の違う楽しさ?

福徳「はい。人のコントに入ったりとか、自分らのコントに他の人が入ってきたりというおもしろさ。最初は違和感もありましたけど、すぐに溶けましたね」
後藤「まず、内村(光良)さんと毎週会うっていうのが、信じられなかったですね。だんだんそれも慣れてはくるんですけど、慣れてきた時にハッと、内村さんとユニットコント一緒にするっていうのが、ものすごいことやな、と。今考えたら信じられない状況ですね。内村さんに毎週コントを見てもらってたと思ったら、すごい時期やったなと思いますね」

――番組は人気になりましたが、そこからコンビとしての面白さを打ち出していくために意識してたことは?

後藤「その意味では、『キングオブコント』(2009年、2010年決勝進出)は大事でした。あとは、『レッドシアター』の中でも、エンディングトークは周りよりは目立たないとあかんな、というのは思ってました。そこで自分らを出さんと、って」
福徳「そうですね。あくまでも個人の戦いやなっていうのは、ずっと思ってました。当時、ロッチのコカド(ケンタロウ)さんとお台場でショッピングしてたら、小さい神社があって。そこでお参りするかっていうことになったんですけど、二人でお参りして、コカドさんに"おまえ、何願ったんや"って言われて、"何でもいいじゃないですか~"って言うてたんですけど、実際には"ジャルジャルがいけますように"って願ってたんです。でも、コカドさんは"レッドシアターが上手いこと行きますように"って。...あ、ちゃうわと(笑)」

――正直、番組より自分だと(笑)。

福徳「まぁ、ほんまはみんなそうだと思いますけど(笑)」

――そして、2010年に掴んだのが『めちゃ2イケてるッ!』のレギュラー。

後藤「認知度は変わりました。『レッドシアター』もけっこうがっつり出てたはずやのに、"『めちゃイケ』の子や"って言われるようになって、それは番組のすごさやなと思いました」
福徳「単純に認知度は上がったと思います。でも、自分たちのよさを出せてないと思ってるので、これからやなと思っています」

■大切なのはトガること。そして、世の中に出る出発点はネタ。
ジャルジャルインタビューカット

――これから、お笑いの世界を目指している人にアドバイスをお願いします。お二人が「これが大事だ」と思うことは?

福徳「やっぱり、トガることですかね。あとは、信じるべきやと思います」
後藤「どの人も最初に世の中に出てくるきっかけは、ネタなので、ネタをちゃんと作ったほうがいいんじゃないかと思います。授業来てるのに、全然ネタ作らへんみたいな人いましたけど、出発点はネタなんで」

――ちなみに、お二人はオーディションの時に心がけてることはありますか?

福徳「オーディションでネタやる前に、"この人、今からビックリすることになるやろうな"と思って、いつもやってました」
後藤「思い切りやるしかないというか、思い切りやってダメやったときの傷つき具合ってすごいんですけど、そこを考えずに思い切りやる、という感じですね」

――お笑いをやっていると、外から「そのネタじゃダメだ」とか、「もっとこうしたほうが」といった声があると思うんですけど、それにはどう対応したらいいと思いますか?

後藤「まったく聞かないのは良くないと思うので、聞くのは聞きますけど、そこからどうするかはその人次第やと思います。そこで行ったり来たりしてむちゃくちゃになるんやったら、それまでやったってことで」
福徳「僕ら、最初の頃"コントにボケが1個しかない。もっと小ボケを入れていきなさい"ってよう言われてたんです。でも、小ボケを入れるも何も、入れ方もようわからんし、小ボケ入れたらおもんなくなるし、そんな感じやったんです。でも、今気づいてみたらちゃんと小ボケが入ってるんですよね」
後藤「たぶん自然に」
福徳「力が付いてくると思うんです。とりあえずは5年ぐらいかけたら。そう言うてて、僕らも5年後10年後、また変わってると思うんですけどね、細かい部分は」

――お二人はどうだったんですか、出始めの頃、周りから言われることに対して。

福徳「最初は突き放してました。じわじわちょっとだけ練習で取り入れてみて、でもおもんないな、とか(笑)。そんな繰り返しでした」
後藤「若手のうちはいろんな人がいろんなこと言うてくるんですよね。でも、今考えたらそれもありがたい話で、今あんまり言うてくれる人いないですから」

――10年超えると。

後藤「そうですね。その時言われたことが全部合ってるかって言われたらそうではないでしょうけど...というか見当違いも多かったですけど(笑)、でも言うてくれるのはありがたいことです」

――今さらかもしれませんが、10周年で金髪にされたのは?

福徳「これは、答えはないです(笑)」
後藤「なんか目立ったことしようってことで」
福徳「10年目でコンビ揃って金髪にするっていうのは、誰もやってないと思うので、今年1年は金髪で」

――ということは、間もなく見納めに。

福徳「じわじわ黒くなっていきます(笑)」
後藤「金髪は、おじいちゃんおばあちゃんの反応がすごく悪かったですね。まさか孫が自分の意思で金髪にするわけないと思ってるので、おばあちゃんは"やらされたんやね"って言ってます(笑)」

――その10周年イヤーの締めくくりは、カウントダウンライブ。"1万人への手渡しLIVE"というサブタイトルが付いていますが。

福徳「チケットを僕らが直接お客さんに渡します。舞台終わりにチケットを手売りをしたり直接渡して、1万人に来ていただこうという企画です」

――そして、このライブをもって、「5upよしもと」(大阪の劇場)から卒業ということですが、どんな思いですか?

福徳「今まで先輩たちの卒業を見てきたので、自分もその立場になったか、っていう感覚です」
後藤「みんなでワイワイやるのも僕らも最後だと思うので、そういうの見に来て欲しいですね」
福徳「1万人なので、ちょっとした"ふふ"っていう笑いも、"どーん"となると思うんですよね。ということは、大爆笑だったら、×1万ですから、ものすごいんじゃないかなと」

――相当気持ち良い。

福徳「ミュージシャンのライブだったら、音でかき消されるでしょうけど、お笑いライブって全部聞こえると思うので、楽しみです」

――では最後に、2013年の目標をお願いします。

後藤「海外で単独ライブをやっているコンビってあまりいないと思うので、今までに2回ロンドンでやってるんですけど、それをみんなに知ってもらいたいので、2013年も、海外でライブやるとしたら、密着番組を作って欲しいですね」

――今までの公演ではなかったんですか?

後藤「関西では放送されたんですけど、今度は全国で(笑)」

――福徳さんは?

福徳「そろそろ天下を獲れたらなと」

――天下といいますと?

福徳「正直、1年で獲れるものじゃないですけど、天下を獲るためのも第一歩になればなと思ってます。たぶん50歳、60歳にならないと、その感覚は得られないと思うんですけど、後で振り返ったときに2013年のあの時があったからこそ、今のこの天下があるんやろうなと感じられる年にしたいですね」


(取材=2012年11月某日)

取材・文=田部井徹(トリーヌ)、撮影=梅木麗子


ライブ「THE FINAL COUNTDOWN LIVE bye 5upよしもと ~前代未聞!!1万人への手渡しチケットLIVE~」
THE FINAL COUNTDOWN LIVE bye 5upよしもと ~前代未聞!!1万人への手渡しチケットLIVE~
5upよしもとのメンバーが、10,000人規模のカウントダウンイベントを開催!! イベントのチケットは、タイトル通り全てメンバーが"手渡し"。 ZEROメンバーや卒業メンバーを含めた5upメンバー総勢100組と、年越しの瞬間を一緒に楽しもう!

日時:2012年12月31日(月)大晦日
会場:大阪市中央体育館
出演:5upよしもとALLメンバー
[公式サイト]http://www.yoshimoto.co.jp/5up/countdown.php

ジャルジャル
じゃるじゃる
[左]後藤淳平(1984年3月20日生まれ)、[右]福徳秀介(1983年10月5日生まれ)、高校の同級生だった2人で結成し、NSC大阪校へ(25期生)。テレビのレギュラーに「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)、「あほやねん!すきやねん!」(NHK大阪)、「スキマでジャルジャル」(毎日放送)、「ジャルやるっ!」(関西テレビ)など。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。。
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