――TVドラマ版、劇場版1、2と続いた作品での主演です。
吉沢:あまり主演の作品をやったことがなかったですし、単純に嬉しかったです。もちろん俳優部のひとりとして現場に携わるということは、主演でもそうでなくても同じですが、より任せていただいているという気持ちになれました。
――友一を演じるうえで意識したことを教えてください。
吉沢:友一はこういう人だとあまり決めつけずにやりました。それよりも、その場その場で、置かれている状況や周りを見て、反応していった感じです。ただ、友一は、こいつは味方にしておいたほうがいいとか、計算しながら生きている人間なので、そこは意識してましたね。友達思いの部分もありながら、平気で友達を蹴落とす面もあるので。謎な部分が多いキャラクターですが、そこは謎なままやろうと思いました。
――FINALでは友一の裏の面が見えてきます。
吉沢:実は撮影の順番でいうと、ドラマや劇場版1よりも先にFINALを撮ったんです。FINALでは友一のいわゆる"ゲス顔"みたいなものが結構フルに出ているんですが(笑)、そこから撮影を始めたので逆にやりやすかったです。最初に出し尽くせたので、あとは引き算でやっていくことができました。
――もしもトモダチゲームを俳優仲間とやったらどうなるでしょうか。みなさん、騙すのが得意でしょうし。
吉沢:うーん、僕は、役者って嘘が下手なんじゃないかと思っています。芝居って、普通に考えるとフィクション、嘘ですけど、でも演じている側としては、本当のことだと思ってやってるんですよね。だから嘘をつくことって苦手なんですよ、逆に。
――なるほど。では吉沢さんが心理ゲームをやることになったら。
吉沢:超弱いと思います。トモダチゲームなんて、ソッコー負けると思いますね。
――吉沢さんの芸能界入りのきっかけはオーディションですよね。
吉沢:はい、そうです。
――芸能界を目指している子たちになにかアドバイスをいただけませんか?
吉沢:オーディションには何も考えないで行ったほうがいい気がします。審査員の方たちって、それこそ今一番売れている役者さんたちも見ているし、芸能界を目指す卵の人たちも大勢見ている。だから、こういうことを言ったら印象に残るかなと思って、付け焼刃的な感じで何かをやっても、見透かされてしまうと思います。それより、自分はこういう人間ですと、素を見せることのほうが大切。ガチガチになっちゃって、ありきたりなことを言うだけでもつまらないですけど、でも自分自身を出して評価してもらうことが一番いい気がします。
――最後に本作の見どころを教えてください。
吉沢:ドラマ版から、劇場版1と続いてきて、ゲーム自体のおもしろみみたいなものもどんどん増していますが、今回のFINALでは、トモダチゲームのテーマでもある、お金を取るのか、友情を取るのか、といったことにすごく触れています。お金とか友達って、アルバイトとかもやったりして、高校生くらいが一番敏感な時期だったりする。世界観はぶっ飛んでいるけれど、いろいろリアルに描いているので、若い子が観てもいろいろ考えることがある作品になっていると思います。
Photo/金丸雅代 Text/望月ふみ