――お兄さんの岡田隆之介さんが子役モデルをしていたことで、岡田さんも「やってみない?」と誘われて子役モデルとして芸能活動をスタートさせたそうですね。
そうです。小さかったので、始めたころの詳しいことは覚えてないんですけど、そのときに載った雑誌とかを見ると「このお洋服を着てたな」って思い出すんです。楽しかった記憶として頭の中に残ってます。
――では、自分が芸能のお仕事をしているとハッキリ意識したのは、いつごろですか?
小学5~6年生ぐらいのときに、芸能界に足を踏み入れてるんだなって自覚しました。「これからも、もっとちゃんとやっていきたい」と強い意志で思ったのは、中学2~3年生ぐらいでした。モデルのお仕事は楽しいなって、ちっちゃいころから思ってたんですけど、中学生のころに映画を見て「演技ってすごく楽しそう」「泣いたり笑ったり怒ったり、いろんな感情を演じられるんだ」と思って、演技もやりたいなと強く思ったんです。
――その目標である女優としての第一歩を、2月公開の映画「傷だらけの悪魔」で踏み出しましたね。
台本を読むのがすごく楽しくて、本を読むのが好きでよかったなと思いました。もともと原作の漫画も読んでいたので、まさか出演できると思わなくてウキウキだったんですけど、実際に現場に行ったら、わからないことだらけでした。でも、共演者の皆さんはやさしくて、監督にも「いいね」って言っていただけて、もっとがんばりたいと思いました。
――手ごたえもありつつ、女優としての課題も見えた?
もう、課題しかなかったです(笑)。
――4月15日の17歳の誕生日に初のフォトブック「hungry!!!」が発売されますね。
今までだと誕生日は、家族みんなでお祝いをしてたんですけど、こうやって本を出させていただけて、すごくうれしいです。
――タイトルに「hungry(ハングリー。日本語で"お腹がすいている"という意味)」という言葉を使った理由は?
まず、カッコいい、さらっとした題名がいいなと思ったんです。それで、現状に満足せず、いつも何かを求めて前に進めたらなという意味を込めて「hungry!!!」にしました。ハングリー精神のハングリーなんです。
――本のエッセイ部分では、いろんなテーマに触れてますね。
私のことについて、たくさん書いてあります。今までの仕事のことだったり、家族のことだったり、私の好きな言葉や考えていることだったり。友達と遊ぶときの普段のメイクや私服の写真とかも載っていて、本当に私づくしというか(笑)。それから、「本を読んでそうに見えない」って、よく友達とかに言われるんですけど、本を読むのが好きなので、本から学んだことについても書いてあります。「あ、本っていいな」って思っていただけたらうれしいです。
――写真はどちらで撮影したんですか?
新島で撮影しました。新島には初めて行ったんですけど、東京都だって知らなかったので、「そうなんだ!」ってビックリしました(笑)。撮影で足湯につかったのも楽しかったですし、風が強いときの海の波の感じもすごくて自分で写真をいっぱい撮りました。フォトブックに載った写真では、夕陽をバックにカッコよく決めてる感じのものがすごく好きですね。
――撮り下ろしの写真だけでなくて、小さいころのプライベートの写真も載ってますね。
昔のちっちゃいころの写真を本に載せるのは初めてだったので、ちょっとドキドキしちゃうんですけど(笑)。それから、本に載っているイラストは自分で描いてます。そういう細かいところまで自分らしさを出したので、岡田結実ってこういう人なんだって知っていただけたらなと思います。
――17歳の1年間をどういうものにしたいですか?
去年は基礎をちゃんと作ろうって決めてたんですけど、今年も基礎をちゃんと作りながら、演技やモデルやバラエティについて、いろいろなことを吸収したいと思っています。付け焼き刃みたいな形で適当に挑戦するのではなくて、何事も細かいところまできっちり考えてやっていければなと思います。
――岡田さんはお父さんが「ますだおかだ」の岡田圭右さんで、芸能一家だと思うんですが、ご家族からお仕事へのアドバイスはありますか?
父も私もお互いの仕事には干渉しなくて。でも、父からは「がんばりや」って言ってもらってて、私も朝が早いと父に「朝、起こして!」って頼んだりします(笑)。母は「こないだの番組、面白かったね」と声をかけてくれるし、兄も「がんばれよ」って言ってくれて、すごい支え合ってますね。
――岡田さんのオーディションの思い出を教えてください。
「天てれ(NHK教育のテレビ番組「天才てれびくん」)」のオーディションのことを、よく覚えてます。たくさんのかたが目の前にいて、受ける側は4人とか5人ぐらいで部屋に入ったんですけど、私は怖くて半泣きになったんです(笑)。涙はこぼさなかったんですけど、「怖いよ~」って思いながら受けてました(笑)。
――緊張するタイプだったんですか?
すごく緊張するタイプで、緊張すると手汗がとまらなくなっちゃって、いろんなところから汗が出るんですけど(笑)。最近は、緊張を受け流そうと思って、緊張をランドセルのような感覚で背負って、挑もうって感じでやってますね。
――緊張するのはしょうがないんですね。
しょうがないかなって。緊張を解く方法はないですし、緊張と仲間になって仲良くなるような感覚ですね。
――最後に芸能界を目指す読者にメッセージをお願いします!
私も、子役からやっていると言っても、まだまだわからないこともありますし、くじけることも後悔することも山ほどあるんですけど、それ以上に楽しいことがいっぱい待っています。今に満足せず前進して芸能界という世界でみなさんにもがんばってほしいですし、私も一緒にがんばりたいです!
Photo/ヨシダヤスシ(昭和基地¥50) Text/武富元太郎